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ゾロゾロと選手達が出てくる。
おー、なんか皆男前ですな。
んっとぉ……美琴は……
あ、美琴いた。
美琴は選手の一番後ろから出てきた。
んー、美琴が一番似合うな、袴。
背もデカいし。
そんな下らない事を考えてると、最初に出てきた選手が弓矢を構え始めた。
お、そろそろ始まるのか。
一気に静かになる会場。
人の視線が一気に選手へ流れこむ。
パンッ!という音が響き、矢が的に向かって放たれる。
だがその選手の矢は、惜しくも少し真ん中からずれていた。
いや、でもスゲェな…。
この日の為にかなり練習してきた事が伝わってくる弓矢だった。
今回の試合は1人の選手が二回ずつ弓矢を討ち、学校ごとの総合点で決まるようだ。
ここ最近で分かったのは、弓道ってのはゆっくり時間が流れていく。
でも、刻一刻と美琴の番が近付いていた。
(……ん………)
さっきまで凛と立っていた美琴が、少しだけソワソワし始めた。
いや、周りから見たら分かんないくらい僅かだけどな。
俺には分かる。
アイツでも緊張するんだな。
(美琴……頑張れ…!)
そう念じた時、ふと美琴がこちらを振り向いた。
(あれ…?俺に気付いてる…のか?)
とりあえず手を振ってみた。
すると美琴は小さく笑い、前へ向き直った。
(…あ、やっぱり気付いてたんだ。)
俺の念が……通じたのかな…?
…んなわけねーか、たまたまか。
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