第4話

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結局その後、斎藤さんが戻ってくることはなく、そのまま試合が続けられた。 俺はというと、二人のことが気になって集中できなかった。 早く終わってほしい。 美琴に会いたい。 そんなことばかり考えてた。 ~試合終了後~ 結局、他の試合に全く集中できなかったせいか、知らない間に試合が終わっていた。 試合が終わったら、出口で美琴と待ち合わせしている。 俺は1人で待っていた。 しばらくすると、ロビーの方から美琴が出てきた。 「美琴!こっちこっち。」 「…あ、誠ごめん、待たせたか?」 「全然平気。早く帰ろうぜ。」 「あー…そのことなんだけどさ…」 美琴は出口では他の人の邪魔になると言って、建物の裏に回ろうと言った。 建物の裏は誰もいなく、とても静かだった。 「…んで、なんだよ、早く帰ろうぜ。」 「いや、悪いんだけど、誠、先に帰っててくれないか?」 「……は?何でだよ…」 美琴は一瞬躊躇いながら答えた。 「いや、実はさ、さっき斎藤倒れただろ? 斎藤のやつ、今日の試合が不安で、昨日よく眠れなかったみたいなんだ。 それがきっと原因なんだろうけど、貧血気味でさ。 んで、本人は1人で帰れるっていうんだけど…やっぱり心配だろ?」 …んだよそれ………。 「じゃあ俺も一緒に…」 「いや、斎藤の家は俺らと反対方向だし、誠は先に帰れ。 明日は部活あるんだろう? 斎藤送ってからじゃ遅くなるし、な?」 美琴が俺のことを気遣って言ってくれてんのは分かる。 頭ん中では理解してる。 …だけど…… だけど…………… ──嫌だ── 美琴を斎藤さんに渡したくない。 二人きりにしたくない……。
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