第4話

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「…………は……?」 試す………何を………? 考える暇もなく、美琴の顔がだんだんと近付いてくる。 「お……い……美琴………!?」 俺の声なんて耳に入っていないのか、お構いなしに顔を近付けてくる。 ……や…………やだ……。 俺は思わず固く目を閉じた。 しかし、何もされないまま、美琴は俺の顎から手をどけた。 「…そんなに嫌だったの?」 「……っ……………。」 知らない間に、俺の目から涙がこぼれていた。 だって……こんなの美琴じゃない……。 「……ごめん誠、俺もう行く。」 美琴が歩き始めた。 「まっ……美琴………!」 「来ないで。」 今までで一番冷たい声だった。 美琴は静かに振り返り、俺に言った。 「…告白なんかして、本当にごめん。 迷惑だったよな。困ったよな。 もう、良いから。 誠のこと好きなの、やめるから。 だから、しばらく近寄らないで。」 そのまま 美琴がもう一度振り返ってくれることは無かった。 1人残された俺は、まだ頭がついていかず、ボーッとしていた。 その時、ポツッと雨が降ってきた。 ああ…帰らないと。 1人で。 折りたたみ持ってないから 濡れて帰らないと。 今日は傘に入れてくれるアイツもいないし。 きっとアイツの傘には 斎藤さんが入るんだろうな。 今日のアイツの隣には 斎藤さんが立つんだな。 あれ?おかしいな。 何か視界が曇ってきた。 何でだろう、目の前が歪む。 頬を温かい何かが伝う。 あれ……? 俺…ガチで泣いてんの? 何で?
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