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「分かりました。陛下に打診はしてみます。」
「ケッ、今すぐくれんじゃねぇのかよ。」
少し拗ねた顔をするノアを見て、鴉は少しスッキリする。
「しゃあなしだ。コイツをてめぇらに売ってやる。金寄越せ。」
ノアの影から這い出てきたのは一人の男。
「その男は?」
「コイツぁ戦闘人形(バトルドール)だ。」
「戦闘人形? 戦闘用の自動人形(ゴーレム)の類いですか?」
「微妙に違ぇが大体当たりだ。」
「微妙に違うとは?」
怪訝そうに聞く鴉にノアはクツクツと喉の奥で笑い、説明する。
「普通の自動人形なら、行動を製作者が全て入力しなくちゃなんねぇ。決められた行動しかできねぇんだわ。」
ノアは心底愉しそうに笑い、応用が利かねぇんだわと続ける。
「だがコイツぁ違う。素体が人でな。そいつをちょっとばかし改造したんだ。
それで改造前より強力になってる。
普通なら意識をブッ壊しちまったら、技術やら覚えた物は全部消えちまうんだが、まあそこは俺だ。技術は改造前と変わんねぇ。
自分で考えて動くこともできんだよ。勿論反逆なんてしねぇ。そもそもそんな事考えつかねぇようにしてある。
しかも素体はベテランの冒険者だ。技術は中々に高い。この前丁度、何かやらかしちまったみてぇで競りに出てたんだ。
強さは保証してやる。前くれてやった合成獣程度なら三匹くれぇ一体で相手して勝てる。」
「しかし予算が降りるか分かりません。」
しかしノアは問題ねぇよと断言する。
「てめぇのポケットマネーで買いやがれ。」
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