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――ねえ、知ってる?
――なになに?
――王都の中心部に第一図書館ってあるでしょ。
――第一図書館?
――ほら、みんなが図書館塔って言ってるとこ
――ああ、あの中が迷路みたいになってるとこ?
――そうそう、あそこにね、天使が出るんだよ!
――えぇなにそれ? 嘘っぽい。
――嘘じゃないよ。私見たもん。
――へえ。
――ああ、信じてないよね? 容姿だってちゃんと言えるよ。
――どんなの?
――えっとね、銀髪で、片眼鏡(モノクル)をしていて、儚げな顏をしていて、とっても美しい男性だったよ。
――男なのに美しいの?
――うん、本当に美しい顔だったって。 お伽噺に出てくる傾国の美姫みたいだったの。
――じゃあなんで男って分かるの?
――上半身裸だったから。
――露出狂じゃないの? それで、声はかけたの?
――それが声をかけようと思ったら図書館塔の最上階まで飛んでいったの。
――飛んでいった? 魔術師様なの?
――でも空を自由に飛べる程の魔術師で銀髪って聞いたことないよね。
――だよね。そんな凄腕魔術師ってみんな噂くらいは聞くしね。
――誰なんだろうね。
――うん
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