賢者様の日常!!

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「アガッ!!グッ……ハァ……ハァ………も……や…め………く…れ」 それなりに広い部屋の中に、掠れた男の声が反響する。 その男はもう人と言っていいのかわからないような姿をしている。 下半身がケンタウルスのように、馬になっており、右腕は蟷螂(カマキリ)の腕のような鎌、左腕は蠍のような鋏。 馬の身体の尻尾も蛇の頭になっている。 男は四肢を周囲に張り巡らさせた鎖で縛られている。 「クヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! 安心しなぁあと少しでその苦しみも全部忘れて俺の忠実なる兵隊(奴隷)になれるからよぉ!!」 顔に狂気を浮かべて笑う眉目秀麗な男は、手に持った赤黒い結晶を男の心臓のある位置に押し付ける。 「ガアアアアアア!!!!」 すると結晶は男の胸に沈み始め、心臓の位置に収まる。 男は悲鳴をあげるが気にしない。 「さぁて仕上げと逝きますかぁ」 そして今度は禍々しい濃紫色の結晶を男の額に当てる。 そして心臓の時と同じ事が起こるが、唯一違う所は、男が悲鳴をあげない。 しかしその瞳は虚ろになり焦点が合わなくなる。 眉目秀麗な男が指を鳴らすと、鎖が解けケンタウルス(仮)が起き上がる。 「後は、作動テストか。よし、その辺掃除しとけ。」 もう興味は無いとばかりに眉目秀麗な男は椅子に座り考え込む。 「よし完成。名前なんにしようかなぁ。ケンタウルスだからケン夕ッキー………駄目だ。何故かこれは駄目だって気がしやがる。 意味わかんね。」 後ろではケン夕ッキー(仮)が掃除をしようと、箒を持とうとするが、両腕が鋏と鎌になっているせいで箒を輪切りにし、落としては持とうとするというループを緩慢な動作で繰り返していき、徐々に箒が短くなるという事態が起きている。
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