雨宮さんという人

3/5
前へ
/34ページ
次へ
「さぁ、入って」 私の家の前から、歩いて30秒ぐらいで雨宮さんの家に到着した。 …案外、玄関広い。 「…おじゃましま…」 「違う。今日から、ここの家の住人だから」 …雨宮さんに大きい声を出され、またもや肩が動く。 「ただいま…」 「おかえり」 一緒に入ったのに、隣で返事をする雨宮さん。この人、さっきからずっと笑顔だ。 …そんなに嬉しいこと?家族が増えるって。 私とは真逆だ。 まぁ、返事が返ってくるのは、久しぶりで嬉しかったかも。 「さっきから気になってたんだけど…」 「…は…い」 「学校からの帰り道?」 「…?」 …私は少しの間、頭に?を浮かべた。 …もしかして、制服を着てたから? でも今日は、たまたま寝坊して、お母さんに怒られて、今に至るんだけど。雨宮さんに全部話した方がいいよね。 「…実は…」 私は、今日の一日を全て話した。 「そうなんだ」 雨宮さんは、返事をしながらチラチラと私の方を見る。 …何見てんの…。 「何かついてましたか?」 「…ついてるっていうか…。ブラウス?…透けてる…かな」 そう言われて、私は自分のブラウスを見る。 「…」 …雨に濡れてたから…。 ブラウスの下から、ブラが見えてた。…恥ずかしい。 「雨宮さん、変態です」 「ごめん。…ごめんって」 雨宮さんが顔を合わせようとするけど、私は、それを無視して全てそらす。 「…体も冷えてると思うし、お風呂に入ってきていいよ」 …本当?…すごく、嬉しい。だけど…人の家だし…。しかも、男の人の家だし。 本当にいいのかな? 「大丈夫。着替えとかは、覗かないから」 …当たり前です。それをすれば、本物の変態になります。 「では…お先に」 「はい。ゆっくり温まってね」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加