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「さぁ、入って」
私の家の前から、歩いて30秒ぐらいで雨宮さんの家に到着した。
…案外、玄関広い。
「…おじゃましま…」
「違う。今日から、ここの家の住人だから」
…雨宮さんに大きい声を出され、またもや肩が動く。
「ただいま…」
「おかえり」
一緒に入ったのに、隣で返事をする雨宮さん。この人、さっきからずっと笑顔だ。
…そんなに嬉しいこと?家族が増えるって。
私とは真逆だ。
まぁ、返事が返ってくるのは、久しぶりで嬉しかったかも。
「さっきから気になってたんだけど…」
「…は…い」
「学校からの帰り道?」
「…?」
…私は少しの間、頭に?を浮かべた。
…もしかして、制服を着てたから?
でも今日は、たまたま寝坊して、お母さんに怒られて、今に至るんだけど。雨宮さんに全部話した方がいいよね。
「…実は…」
私は、今日の一日を全て話した。
「そうなんだ」
雨宮さんは、返事をしながらチラチラと私の方を見る。
…何見てんの…。
「何かついてましたか?」
「…ついてるっていうか…。ブラウス?…透けてる…かな」
そう言われて、私は自分のブラウスを見る。
「…」
…雨に濡れてたから…。
ブラウスの下から、ブラが見えてた。…恥ずかしい。
「雨宮さん、変態です」
「ごめん。…ごめんって」
雨宮さんが顔を合わせようとするけど、私は、それを無視して全てそらす。
「…体も冷えてると思うし、お風呂に入ってきていいよ」
…本当?…すごく、嬉しい。だけど…人の家だし…。しかも、男の人の家だし。
本当にいいのかな?
「大丈夫。着替えとかは、覗かないから」
…当たり前です。それをすれば、本物の変態になります。
「では…お先に」
「はい。ゆっくり温まってね」
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