雨宮さんという人

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チャプン。 初めて、他人の家のお風呂に入る。 どうしよう。家のお風呂より… 「落ち着く」 冷え切った体が、芯まであったかくなる。 …雨宮さんって変な人。普通の人だったら、他人の子供を自分の家族にしない。 なんてお人好しな人なんだろう。 …もし、雨宮さんがこの街の人じゃなくて…。今日みたいなコトがあったら…。 私は、どうなっていたのだろう。 「…考えるのは、やめよう」 本当に…良かった。雨宮さんに会えて。 十分に温まった私は、雨宮さんが用意してくれたタオルで体をふく。 そうして、着替えを探して辺りを見回す。 …ヤバい。 「…向こうに忘れた」 私は、タオルをしっかり巻いて雨宮さんが待っているであろうリビングへ向かう。 トタ…トタ…。 ガチャ 「あ、あがった?…あ?」 …振り返った雨宮さんは、目を最大に開いて、ビックリしている。 「あ…雨宮さん…」 「お、女の子がそんな格好で出てきたら、ダメじゃん」 雨宮さんは、自分の手のひらで顔を覆う。…かわいい。 「分かってますけど。着替えを…」 「…早くとって。…お風呂場に戻って…」 「はい」 私は、雨宮さんの言うとおり、急いで着替えを見つけ、お風呂場に戻った。
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