雨宮さんという人

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「…リビングに行った方がいいよね」 私は部屋着に着替え、リビングへ向かう。 「…雨宮さん」 「あ、終わった?…こっちにおいで」 そう言って手招きをする雨宮さん。その指示どうりに動く。 「はい、どうぞ」 「…わぁ」 机の上には、美味しそうなご飯が並べられていた。 「9時30分だし、時間無かったからテキトーだけど」 …コレがテキトー…。すごい上手だし、オムライスとか絶対、手、こんでるでしょう。 最近、コンビニで買ってきたモノばかりだったから。…嬉しい。 「いただきまーす」 「いただきます」 パク。 パクパク。 …すごく美味しい。 「どう?」 「…美味しいです」 私が返事をすると、雨宮さんはニコッと微笑む。 …和む。 「あ、雨宮さん」 「ん?」 「わ、私に作り方を教えてください」 何故だか分からないけど、口にしていた。 「いいよ。けど」 「…けど?」 「大高さんは俺の家族になったんだから、敬語は無しね」 人差し指をピンと立てて笑顔で言う雨宮さん。敬語無しっていわれても…。雨宮さんは…。 「年上だし、親役じゃないんですか?」 「親でもいいけど…。俺まだ24歳だから。お兄ちゃんの方がいいかな?」 「じゃあ、雨宮さんにとって私は妹…ですか?」 ‘‘うん、そうだよ” と、言いたそうな顔をしながら、 首を思い切り縦に振る雨宮さん。 …やっぱり…かわいい。 「妹だからお兄ちゃんのコト ‘‘雨宮さん”じゃあおかしいよね」 …確かに…じゃあ。 「お兄ちゃん?」 「それもいいけど…俺、下の名前‘‘徹”っていうんだよ」 つまり、下の名前で呼べと…。 「と、徹っ」 「はーい。大高さんは、下の名前なんて言うの?」 「恵です」 「恵か。…恵、よろしくね」 な、名前を呼ばれた。男の人に呼ばれるの…初めて…。あと、呼ぶのも初めて…。 「は…い」 雨…徹と私は兄妹になりました。
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