第1章 (2)ある日の面接

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ただ、唯一の問題はルイが男の子だということ。 でも、マリーとはベッドで女子トークをするほどの仲で、心は女の子。らしい。 「なんで?他にいくらでも物件あるでしょー」 明らかに反対しているアキラ。 「ここが一番条件がいいの。二人とも優しそうだし。うまく行けばどんどん賞金が増えるアキラとは違うんだよ」 そうなのだ。 いざ自分が住むことになってわかったけれど、アキラは10代の男の子が一人暮らしするには結構いいエリアに住んでいる。 20代後半のテツヤさんでさえシェア物件なのに、自分の稼ぎで一人暮らししているなんてなかなか大したものだ。 アメリカンドリームってやつなのか、彼は渡米する時にテツヤさんの同居の申し出を断り、最初からある程度の賃料の部屋に決めたらしい。 それぐらいのプライドがないと、この大国でプロライダーとして渡り歩いて行けないってことなのかな? でもだからこそ、私とは事情が違うのだ。
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