第1章 (2)ある日の面接

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「私、学生だしそんなに予算ないもん。で、女の子向けでここが一番安心して住めそうなの」 「リコちゃんと同じ部屋に男がウロウロしてるなんて、俺が安心できないんだけど」 「ルイはゲイなんだってば」 「でも、ついてんでしょ?バイだったらどーすんの?」 アキラとの話はずっと平行線を辿っている。 で、今日の面接開催ってわけだ。 マリーとルイが出会った、そのカフェで待ち合わせ。 彼らの部屋からはすぐ目と鼻の先だ。 私とアキラが店内に入ると、二人は既に先にお茶を始めていた。 『あー!リコ!来たわね』 『時間を割いてくれてありがと、今日は彼を連れてきました』 『ボーイフレンドじゃなくて、フィアンセでしょ』 『そうだね、アキラです』 『はじめまして』 アキラは二人と握手はしたものの、すごい感じ悪い雰囲気を醸している! ちょっと!印象が悪くなるからやめて欲しい。 いつも誰にでも愛想よくなかったですっけ? 自分はファンサービスとか言って、現地の女の子に優しくしてるくせに。 ムカ、っとしたけどそこは二人の手前だ。
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