第1章 (2)ある日の面接

8/10
前へ
/1866ページ
次へ
『で?リコはいつ引っ越してくるの?』 一度会っただけで、マリーたちも私のことを気に入ってくれたらしく、もう同居する気まんまんでいてくれているらしい。 二人とも学生で年も近いし、仲良くしてくれそうな雰囲気が漂っている。 ルイは黒いジャケットに銀のブローチをしていた。 かなりオシャレ上級者だし、その佇まいがゲイっぽい。 繊細そうで、とても優しげな人だ。 マリーとの仲も良好そうだし、私はすでに彼を気に入っていた。 アキラだけがぶすっとしている。 子供じゃないんだから、その顔やめなさいよ!! ルイがそんな彼をジッと見て、ふと言った。 『アキラってかわいいね。いくつ?』 !! ちょっと色気を含んだ言い方に聞こえて、あたしは二人の顔を見比べた。 いつの間にか、ルイはニヤニヤしている。 からかってるんだ! アキラも心なしか赤くなった顔でますますムッとした。 日本にいる時はアメリカンな変わった子だなと思ったけど、恥じらった表情はちゃんと日本人の男の子って感じだ。 『ボクが本当にゲイなのか、確かめにきたんでしょ?』
/1866ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加