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ルイはますますニヤニヤしながら、隣に座っている私の肩に腕を回し、ギュッと抱きすくめてきた。
『リコって、フレッシュフルーツみたいだよねえ。
若くてみずみずしくて、ピュアで。
すっごくかわいい。食べちゃいたい』
そこまで言ったのを聞いて、アキラはバン、と立ち上がった。
「帰ろ。この話はナシね」
私にちょっかいを出してからかったルイに気分を害したアキラを、マリーがなだめた。
『冗談だよ、アキラ。リコが大切なんだね。
あたしがいいこと教えてあげる。
あそこにいるのが、ルイの好きな人だよ』
彼女はカフェの店員さんを指した。
カウンターの向こうでエプロンをして、エスプレッソマシンに向かっている男の人。
細身でブラウンのよく整えられた髪がさっぱりしている。
『ええ?そうなの?』
『そうだよ!まだ片思いだけどね』
彼もゲイなのかな。
憶測から始まり、もし好きになったら本人に確認しないといけないんだろうな。
そう考えると、彼の片思いって普通の男女より困難が多そう。
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