第1章 (2)ある日の面接

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私はルイの顔を見た。 『大丈夫、多分彼もボクと同じだと思うんだ。で、マリーとたまに顔を見に来るってわけ』 そうなんだあ。素敵だなあ。 ロスのカフェの店員さんに片思い。 なんかロマンチックじゃない!? 「だって!アキラ。ね?大丈夫だよ。私を信じて欲しいし、二人と友達になりたいの」 私は日本語で彼に伝えた。 アキラは少し考えたように私の顔を見つめたけど、意外とあっさり承諾した。 『わかったよ。 リコは優しい子だし、俺の大切な人なの。 だから、よろしくね』 やったー!! 『あたしたちも嬉しいよ、リコ。ようこそ我が家へ』 マリーが笑顔で言ってくれた。 『次の週末に荷物持ってくるね!』 はりきって言うと、私のほっぺにルイがチュッ、とした。 それを見て、はあ!?みたいな顔でイラっとするアキラ。 ルイはと言うと完全にすましている。 やれやれ。 アキラを手玉にとってからかうなんて、やるなあ。 私とマリーはしばらくくすくす笑っていた。
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