第1章 (1)渡米

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その間連絡が取れなくて自然消滅の危機があったり、再会できても数日で離れなければいけなかったり、それなりに大変ではあったんだけど。 交際を始める前から彼に結婚まで持ちかけられていたこと。 そして何より、アキラはアメリカでプロのBMXライダーとして生活していることから、私も英語の勉強も兼ねてLAのコミュニティカレッジへ通うことにしたのだ。 新生活は始まったばかりで、今はアキラのフラットで二人っきり。 「だって日本語が……」 「じゃあ俺も英語で話すから」 彼はお父さんの仕事の都合で10歳から15歳までアメリカにいたので、語学力がネイティブとあまり変わらない。 「それも違和感ない?」 「Anyway,」 荷物を片付けていたアキラが、ソファのところに来て座っている私のものすごく近くに腰かけた。 背中に腕を回して抱き寄せながらつぶやく。 「I wanna make out with you」 言いながら、キスしようとしてくる。
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