第1章 (2)ある日の面接

4/10
前へ
/1866ページ
次へ
そして私は、渡米してとりあえず入った学生寮をすでに退寮しようとしていた。 案の定日本人が多いし、自分のキッチンがない。 アキラが家にいる日はいいけど、留守中に私の自炊ができないのだ。 そこで、だいぶ前からテツヤさんにシェア物件を探してもらっていた。 テツヤさんはアキラの8歳年上のお兄さん。 弁護士事務所で働きながら、アメリカの弁護士を目指している秀才だ。 彼より長くこの街に住んでいて、本当の兄のように信頼できる人。 女子専用。 自由に使えるキッチンつき。 同居人は英語を話すこと。 アキラの部屋と、私の学校両方に通える距離であること。 それから治安、予算、などなど。 それらを鑑みて一番最高の物件を仮抑えして、今日はその同居人に会いに行くところだ。
/1866ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加