8人が本棚に入れています
本棚に追加
あの子は、不思議な子だった。
作品はそんなにレベルの高いものではなく、どこかで聞いたことのあるような設定ばかり。
だから、初めは興味など全くなかった。
だけど。
「サイレント・マダー」
もう、消してしまったらしい作品。
直訳すると、静かな殺人鬼。
内容は大人しい男が快楽殺人を繰り返す。
男は決して捕まらない。
なぜなら、無関係な人間を人気のない場所で殺しているから。
だが。
とある女子高生にその犯行を見られてしまう。
口封じに殺そうとするが、驚くことに彼女はその殺人に協力すると言う。
男は渋々了承し、奇妙な関係が始まった。
そんな話だ。
そんな物語、どこにでもあると言われればそうかもしれない。
でも、彼女の紡ぐ言葉、更には女子高生の複雑で繊細な心境を描きながら、猟奇的で尚且つサイコキラーな男の心境も的確に描いている。
僕は彼女の描写力に舌を巻いた。
最初のコメントを投稿しよう!