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「さて、飛悠ちゃん。」
声を掛けられ廊下の方を見ていた飛悠が桃ちゃん先生の方に向き直る。
「はい。なんでしょう?」
答える飛悠。
「はい。どぉぞぉ~。」
差し出されたのは教科書。と、何故かお弁当。
「はぁ。」
気のない返事をして受けとる。
「あの・・・教科書はわかるんすけどなんで弁当っすか?」
普通に疑問を投げ掛ける。
ポンッと手をうち語る桃ちゃん先生。
「えっとですねぇ~。飛悠ちゃんが来る前にぃ~お母さんのさっちゃんに会いましてぇ~渡すように頼まれてたんですぅ~」
さえこよ・・・なぜ校門で渡さずに頼んだんだ・・・。
思いながらも納得する。
「ぢゃぁ~もぉいいですょぉ~。教科書を取ってきたのは貸しにしときますぅ~」
そういえば、教科書は当日(つまり今日)購買に取りに来いって言われていたことを思い出す。
「ありがとうございました。」
頭を下げその場を後にする飛悠。
去り際に「後で会いましょ~」と、にこやかに言われたのと、高田は栄くんなのになぜ自分はちゃん付けなのかが妙に引っ掛かったが気に止めないことにした。
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