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教室に戻ると栄が手を振り声をかけてきた。
「飛悠ー!こっち!こっち!」
窓際の琴平夕日の2つ隣。
一番後ろの列だ。
飛悠の席はそこみたいだ。
さらに隣は栄だった。
夕日との間の空いてる席は?
鞄も掛かっていない。
休みかな?
思いながらも席につきながら、飛悠は栄に聞いてみる。
「なぁ栄。俺のとなりって?」
「俺だけど?」
栄は不思議そうに返す。
「いゃ栄の方じゃなく、逆の方」
「ぁぁ。そこは奏(みなと)ちゃんの席だ。」
「奏ちゃん?」
「そっ。琴平奏。もいっこ隣の琴平夕日の双子の妹だ」
「ふーん。今日は休みなのか?」
栄は少し困ったような顔をして口を開いた。
「身体あんまり強くないみたいでよ。たまに休むんだ。今回はちょっと長いな・・・。今のとこ1週間・・・」
遮るように教室に入って来た夕日。
「余計なことは言わないでいいわ。高田くん。」
思わず口を紡ぐ栄。
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