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自分のアパートへと続く坂道を自転車を押しながら飛悠と栄は歩いていく。
栄は飛悠のアパートよりもっと手前に家があって歩きで通学らしい。
家はパン屋を営んでいるそうだ。
「栄の家はどのへん?」
「あ~俺んちは坂下りて右まがったら一つ目の信号の角のとこ。すぐわかんぜ!」
「ふ~ん。」
今度パン買いに行ってみようと思う飛悠。
「飛悠の家はどのへんよ?」
「俺んちは真っ直ぐ3キロくらいだな~」
「それってとなりにマンション立ってるとこか?」
そういえば建ってたな。
「そぉそぉ!あのマンションのせいで日当たりがなぁ~」
すこぶる悪い・・・。
だから家賃やすかったけど・・・。
ついつい愚痴を考える。思っていても口に出さないところが飛悠のいいところであって悪いところでもある。
「まぁ家賃やすかったし住めないわけじゃないからいいけどな」
「ほぅ~じゃいいんじゃね!」
飛悠と栄はこんな話をしながらアパートへと向かう。
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