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「あーんたは、なんで初日から遅刻すんの!」
ロングヘアーの綺麗に染められた茶色の髪。白いレディーススーツに若干の返り血を浴びながら花びら舞い散る中での仁王立ち。
かなり怒った顔で母親に一喝される飛悠。
「あれほど今日は残った手続きとかあるから早く来なさいっていったのに!!」
一人暮らしを始める息子のために家具の手配、家電の手配、ガス水道電気。その他。細かい手続きであらかた済ませワンルームの狭い部屋からそそくさと親戚の家へと一人で挨拶に行っていた。
母親が数歩下がって一緒にいる女の子を紹介する。
「こちらあんたのクラスの委員長の琴平夕日さん。あんたのせいで彼女もいい迷惑よ。ごめんなさいね。夕日さん。」
紹介しながら深々と頭を下げるめり込み女。
年の差性別なぞお構いなしにあっさり仲良くなるおばさんパワー。
肩に若干かかるくらいの綺麗な黒髪に少し茶色がかった瞳。学校のブレザーがよく似合う。スカート丈はいまどきの短めだ。
風に揺られてスカートの中が若干---。
いやみなまで言うまい。
紹介された女の子は世間的にみてもそれなりに---いや、かなり美人だ。
「いぇいぇ!とんでもないです。お母さん。」
笑顔で返す琴平夕日。
こいつきっと猫かぶってるな---。
飛悠は直感的に感じ取る。
「あら、お母さんだなんて---さっちゃんって呼んでね。」
ロングヘヤーを掻き上げてお茶目に返すさっちゃん(母親)。
「きも----」
思わず飛悠は声に出し、言いかけたところで殺意を感じとり口をつぐむ飛悠。
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