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「おい、手が止まってんぞ!」
「え?あ、ごめん!あまりにいい天気で景色がキレイだったからつい......」
「そうか?大した田舎だけどな。」
「アキラは毎日見てるからそう思うんだよ!俺は昨シーズンぶりの雪山だもん!ワクワク位させてよね~」
ビンディングをはめ終えたアキラは、準備万端だ。
慌てて俺もビンディングを締める。
「お前のがよっぽど綺麗だけどな...」
「えっ?急に何言っ......」
そこで、俺の口は塞がれた。
啄ばむような軽いキス。
リップ音を残してアキラが離れる。
不意打ちにしては、こんな公衆の面前で...
「ちょ...ってこんな所でなに急に!!」
「久しぶりなんだから仕方ないだろ?」
「でっ、でも誰か見てたら!!」
「こんな早朝から頂上まで来る奴らなんで数限られてるだろ?」
ニヤリと不敵な笑みを浮かべるアキラ。
確かに、今この瞬間は誰もいないけど、リフトから見る人だって...
ブツブツ言う俺を横目に
「お先!」
アキラは軽く跳ねると行ってしまった...
悔しいけど、そのライディングはめちゃくちゃかっこいい。
小さなコブなのにオーリーの高さが半端ない。
思わず見とれてい ると、あっと言う間にアキラの姿が見えなくなった。
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