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「よし!」
俺もパーク目指してアキラの後を追った。
直滑降からのオーリーターン。
踏みしめる新雪の音が耳に心地よい。
まだ人もまばらなパークで小さめのキッカーを見つけ、誰もいないことを確認すると一気に加速していく。
オーリーしてグラブする。
ふわりと飛ぶ瞬間がなんともいえない。
着地して端の方で一息つく。
「相変わらず迷いのないジャンプするね~」
アキラが降りてくる。
「やだな、見てたの?」
「お前、あんな小さなキッカーでスピード出し過ぎ!ランディングバーンで着地してたぜ?」
「とりあえず、1本目だしね。去年ハーフパイプで脱臼してシーズン後半は滑れなかったし、けっこうビビってるよ。」
「ま、気をつけて滑るに越したことはないからな。」
アキラは俺の頭を軽くポンポンとする。
ゴーグル越しのうっすらと見える瞳が優しかった。
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