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「だから~ここに代入すんだろ?そうすっと~」 気だるい午後一の授業... 教壇には先月から産休に入った先生の代わりに来た数学の非常勤講師。 背はそれ程高くなく、淡いグリーンのプラスチックフレームの眼鏡の下は初見で美人とわかる。 色白女顔が恐らくコンプレックスなのであろう。 口を開くと毒舌で口が悪い。 およそ先生らしくない口調が逆に親しみ易く、生徒たちには直ぐに馴染んでいた。 ミホちゃんこと三浦有史(みほゆうじ)先生のタメ口解説が響き渡る。 「微分するところを積分する奴がいるから、ここ注意な~いいか~?佐々木?お前のことだぞ!」 途端にドッと教室内が沸く。
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