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------------------ 窓際最後列には陽の光がポカポカと優しく照りつける。 お腹いっぱいだし、温かいし...外は雲一つない青空だな~なんて窓の外に想いを馳せて微睡みかけていたら... 「俺の授業でうたた寝とはいい度胸だなあ~?神戸(かんべ)!」 「へ?あ?」 隣りの奴がシャーペンでツンツンしてくれても、指されていたことに気づかず俺は慌てふためいた。 「す、すみません!!」 「言い訳はあとで職員室で聞いてやるよ!」 クラス全員分のノートを持たされ、俺はミホちゃんと一緒に職員室へ向かうべく廊下を歩いていた。 「神戸お前さ、俺の授業退屈か?」 俺よりも頭一つ小さい、いつも強気な女王様はなりを潜め、不安の色を滲ませた瞳が俺を見上げた。 「え、いや、その...退屈ってワケじゃ...」 普段見せないその表情に俺は思わずドキっとしたせいか、しどろもどろになる。 「じゃ、数学嫌いか?」 「いや、嫌いじゃないんすけど...」 「んだよ?ハッキリしねぇ男だな!」 「好きですよ。」 「......」 「だって答えは一つしかないし。」
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