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------------------ 「ありがとな、神戸。」 ミホちゃんにそう言われると素直に嬉しい。 けど何だが裏がありそうな気がする。 「や、別に...」 「これやるよ。」 そう言って何かを投げてよこした。 放物線を描いて飛んできた何かを右手でキャッチする。 見ると、イチゴミルクのキャンディだった。 「ミホちゃん、甘いの好きなの?」 「そーゆー訳じゃねぇけど、俺最近タバコやめたんだわ。なんつうか口淋しくてな。」 「ふーん?彼女に止めろって言われたクチ?」 「バーカ、健康志向だよ。」 探りを入れてみたものの肯定も否定もしないのは、プライベートを隠すためか? 暫く手のひらのそれを眺めていたら、 「じゃ、ついでにこれも。」 小さなメモを渡された。 メモには数字の羅列。 「俺の授業で寝た罰だ。宿題な!」 「はぁ?マジすか?信じらんねぇ...」 メモとキャンディを両手に俺は職員室を後にした。
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