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「答え、128√e980...?」
(なんだこれ?)
ミホちゃんにもらったメモには数式が書かれていた。
数式を解くこと数十秒。
解を眺めること数分。
何度も解答すること数十分。
不可解な解にまだ、何があるのか頭をフル回転する。
ミホちゃんは授業中時々クイズみたいな問題を出してくる。
難解なものから、簡単なパズルみたいなものまで。
それは授業の最初や最後に効果的だ。
こないだはたくさんのキャラメルを持ってきては分かりやすく解説をしてくれた。
そして、授業の終わりにはクラス全員でキャラメルを食べた。
授業が面白く、分かりやすいだけじゃない。
そんなところがミホちゃんが生徒たちに慕われている所以だろう。
穴が開くほどメモを見つめても答えが分かるワケじゃないが、何度も見つめ、脳内で他の解答方法はないかと考えを巡らせる。
何度やっても答えは一つにしかならなかった。
「...128√e980」
(やめたやめた!)
俺は考えることを放棄してベッドに寝転んだ。
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