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高校卒業後、拓実はきっぱりと野球をやめ、地元の国立大学へ進学した。
拓実への思いを断ち切るために、私はたくさんの恋をしたがどれも長続きせず、いつも真衣と拓実を驚かせ、呆れさせた。
けれど、それで、よかった。私は、自分の思いを遂げるより、二人の側にいたかった。
私はわかっていたのだ。真衣を裏切ってまで拓実を手に入れたところで自分が幸福になれないことも、そもそも、真衣を裏切る気などないことも。
何より、私が好きなのは、真衣を愛する拓実だと言う事に気づいてしまった。
その後、真衣は地元の短大の保育科へ進学し、私は夢を追い上京した。
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