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「まあ、どんな理由であれ女の子を殴るのはよくないけどね。それで、つい口を挟んじゃったけど、余計なお世話だったみたいだね。ところで、唇切れてるけど、ティシュあげようか?」
その人はポケットをまさぐった。
「い、いらない」
私はブレザーの袖で口元を拭うと、その人を睨んだ。
「ほんっと、余計なお世話ですよーだ」
助けてもらったくせに憎まれ口を言う私に、その人はたんたんとした口調で、
「そう思ったんだけど、君、花岡真央だろ?」
いきなり私の名前を口にしたのだ。
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