第一章・真衣と拓実

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翌日、私はさっそく真衣に拓実に助けられたことを報告した。 「知ってる。昨日、拓ちゃんから聞いたから」 真衣は拓実のことを拓ちゃんと呼んでいた。 「あ、そうなの。なんかイメージと違って驚いた」 「イメージ?」 「真衣の彼が、あんないかつい人だとは思わなかった。もっと、こうさ、繊細な美少年を想像していたんだけど。拓実先輩って、ちょっと強面。坊主頭で、でかくて、しかも無愛想。あ、ごめん…」 怒るとおもいきや、私の率直な感想に真衣はくつくつと笑った。
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