第一章・真衣と拓実
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「拓ちゃん、野球部なの。確かに無愛想だけど、本当はものすごく優しいんだよ」 「へぇ、野球部?だから坊主なのか」 「うん。小学校のころからずっと野球一筋」 「そんな昔から知ってるの?」 「もっと昔からだよ。私たちね、家が隣同士なの」 真衣と拓実は幼なじみだった。 聞けば家庭環境もよく似ていて、(拓実も真衣も祖父母に育てられた)互いに一人っ子だから、小さい頃から兄弟のように育ったという。
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