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「ねぇ、彼氏がこんなにも人気者だと不安になったりしないの?」
ちょくちょく嫌がらせを受ける真衣に訪ねると、真衣は涼しい顔で、ちっともと首を振った。
「ちっとも。それだけ、拓ちゃんがみんなに愛されてるって証拠だから」
「そりゃそうだけどさ。私なら耐えられないなぁ。拓実先輩に、がつんと言ってもらったほうがよくない?」
「きりがないもの。昔からそうだったし。あたしに近づいてくる子はね、みんな拓ちゃんと仲良くしたいか、拓ちゃんの側にいるあたしに敵意をむき出しにする子ばかりだったから」
真衣が女友達を作ろうとしないわけを私はこの時知ったのだ。
きっと真衣はそういういざこざや駆け引きに疲れていたのだろう。だから、いつも女の子たちと一線を引いた付き合いをしていたのだ。
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