第一章・真衣と拓実

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けれど、私はその想いをひたすら隠し続けた。 真衣と拓実の絆は本当に強く、二人は言葉を交わさなくても互いを分かり合っていた。 体と体が触れ合っていなくても心が常に寄り添っていて、視線が絡まればお互い無言で頷きあい再会を喜んだ。 そんな二人に、他人が入り込む隙など1ミリもなかった。 あたしたちは二人で一つなの。 真衣の言葉通り、二人を取り巻く空気は濃密で、この世の全ての人間を拒絶するような強い意思さえ感じた。
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