全力少女、走る。の巻

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まあ、まずは昨日の事から話しておこう。 馬鹿みたいにあたしは、家に帰った後もやはりあの落書き達が気になり、雑巾などの掃除用具をもってまた学校へ来ていた。 そこで、あたしに話し掛けてきた二人の男。 のうちの一人に告られた。 男に告られるなんて、初めてだから掃除もままならないまま、あたしはプチパニックに陥り、逃げだすようにして、その場から去ったのだった。 そして、今朝。新しい友達が2人、増えた。 その2人は、あたしの前の席と後ろの席の人。どうやら、その二人は元から友達だったらしく、あたしを挟んでずっと話していた。 まあ、それがなんとも、居た堪れない!辛すぎる!絶対あたし、邪魔!ぎゅうっ、と縮こまっていると、前の席の人があたしに気付いたらしく申し訳なさそうに謝ってくる。 そして、お前も、一緒に話そうぜ!と。なんと、イケメン!心までイケメンとは! 「あ、っと、えっと、はい!」 「じゃあ、自己紹介な!俺は、桜咎 雅(オウトガミヤビ)!よろしくな!」 ニコリと明るいオレンジ?黄色?の髪を揺らす桜咎クンは、お菓子を絶えず持っているのがなんだか、可愛らしい。ニコッ、と笑えば八重歯が現れて更に可愛さが増す。 「おら!奈緒も、自己紹介しろよ!」 「...」 チラッと、ケータイに向けていた目をあたしに向けるも目が合うと一瞬で逸らされてしまった。ええっ、何これ泣ける。 「...城戸 奈緒(キド ナオ)」 ケータイから、目を離さずにそういった城戸クンに少し悲しくなる。そういえば、ケータイを持っていない所を見ていないかもしれない。 「奈緒はな、すっげえ、恥ずかしがり屋なんだよ!ケータイなんて、することもねぇのに、人見知り発動して、話できねぇから話し掛けられねぇ様にしてんの!」 うけるよな!とお菓子を頬張りながら言った桜咎クンに、城戸クンは顔を真っ赤にして反論した。 「ばっ...!!」 そして、あたしの存在を再確認すると、バツが悪そうに顔を真っ赤にしたまま顰めて、ケータイに視線を戻した。
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