全力少女、走る。の巻

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えっ、なになに、何これ可愛い。 金髪だから、怖いな、と思っていたけれどそんなことないらしい。金髪も人を寄せ付けない為の対策らしい。なんて、可愛いんだ。 「あ、あたしは、神原 光(カンバラ コウ)です。よろしくね、桜咎クン、城戸クン」 「桜咎クン、なんて!やだやだ!俺やだ!雅でいいし!てか、雅がいいし!」 あたしが言った瞬間、駄々を捏(コ)ね始めた桜咎クンにある意味拍子抜け。 「え、あ、じゃあ雅くん...?」 「だーかーらーあーーー、雅!」 「み、雅...?」 「おう!なんだ!?光!」 至極嬉しそうな顔で笑った雅を見てると、なんだかこっちまで嬉しくなってくる。ニコニコ2人で見つめあっていると、ボソリと声が聞こえた。 「...も」 「...え?」 「おれ、も...奈緒でいい」 「「...」」 キョトン、とはまさにこのこと。雅と2人顔を見合わせて、目をパチパチ。そして、2人で吹き出した。 「っ、笑ってんじゃねぇよ!」 「ふ、あはは!ご、ごめんね、"奈緒“」 そう言えば、奈緒は照れくさそうに、恥ずかしそうに、小さく笑って。 「...許す、光はな。雅は許さねぇ」 名前を呼んでくれたのだった。
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