全力少女、走る。の巻

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全速力で走り続けて早10分。も、もう、無、理。 まず、あたし自身に全速力で10分も走り続ける程の体力があった時点でびっくりなんだけどね!褒めて欲しいね! だけど、男子の大群は体力が有り余っているのか、落ちてきたあたしのスピードと比例するようにスピードを上げた。 やばい、もうだめだ...!よ、よし、あそこの角を曲がったらとりあえずどこかの教室に潜り込もう。 最後の力を振り絞ってスピードをあげた。 どこか、教室...!!その一心で。 だけど、あったのは。 「旧音楽室...?」 えー!!なに、この絶対閉まってます!って教室!なける!でも。もしも!もしかしたら!奇跡がおきるかもしれない! え、いやでも、こんなところで運使っちゃうのやだな。と、頭の片隅でそんなフレーズが揺れたのに、「これは運には入らなーいっ!!ていやーっ!」と頭の中で返して旧音楽室の扉に手を掛けた。 ガタッ。 いや、まあ、はい。期待したあたしが悪かった。うん、ごめんなさい。ですよね!ですよね! 開いてるわけないですよね。 くそう、こーなったら! 周りを見回して目に入った窓。幸い、ここは二階。なんとか、なる! 旧音楽室のドアにへばりつくようにして深呼吸。 「あっ!いたぞ!」 な ん と か な る ! ! 前へと行こうとしていたあたしの身体は、グイッと後ろへ引っ張られた。
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