0人が本棚に入れています
本棚に追加
全速力で走り続けて早10分。も、もう、無、理。
まず、あたし自身に全速力で10分も走り続ける程の体力があった時点でびっくりなんだけどね!褒めて欲しいね!
だけど、男子の大群は体力が有り余っているのか、落ちてきたあたしのスピードと比例するようにスピードを上げた。
やばい、もうだめだ...!よ、よし、あそこの角を曲がったらとりあえずどこかの教室に潜り込もう。
最後の力を振り絞ってスピードをあげた。
どこか、教室...!!その一心で。
だけど、あったのは。
「旧音楽室...?」
えー!!なに、この絶対閉まってます!って教室!なける!でも。もしも!もしかしたら!奇跡がおきるかもしれない!
え、いやでも、こんなところで運使っちゃうのやだな。と、頭の片隅でそんなフレーズが揺れたのに、「これは運には入らなーいっ!!ていやーっ!」と頭の中で返して旧音楽室の扉に手を掛けた。
ガタッ。
いや、まあ、はい。期待したあたしが悪かった。うん、ごめんなさい。ですよね!ですよね!
開いてるわけないですよね。
くそう、こーなったら!
周りを見回して目に入った窓。幸い、ここは二階。なんとか、なる!
旧音楽室のドアにへばりつくようにして深呼吸。
「あっ!いたぞ!」
な ん と か な る ! !
前へと行こうとしていたあたしの身体は、グイッと後ろへ引っ張られた。
最初のコメントを投稿しよう!