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World War 3
第三次世界大戦と称されるそれは、世界の文明と地球の歴史を消失させた。
人類はかつてない危機に瀕していたことは間違いない。
しかし人間は強かった。
生存した人類は世界の生きている人間達を掻き集め、一つの共同体を創ったのだ。
後に『イン』と呼ばれるものである。
「それが500年前です、以上。」
一人の少年が席に座る。
前方に立っている教師であろう人物は「ん、正解だ」と少年の回答を褒めていた。
周囲に座る友人たちも感心するほどであった。
「感心するより先に書き留めておけよ。ここは次の昇格試験に出るんだぞ。」
教師の言葉に慌てて生徒たちが書き始める。
しかし書くというのは表現としておかしいだろう。
生徒たちは押しているのだ、モニターのボタンを。
ここは『イン』の将校訓練所である。
いわば幹部になるための技術と知識を高める為の学校とでも言えばいいだろう。
現在は歴史の勉学。
特にこの『イン』が完成するまでの時代の流れを復習しているのだ。
「確かに『イン』が完成したのは500年前だ。当時の世界の技術を総結集させ、外界に存在する脅威とインを隔壁によって遮断した。街の周りに壁を作り、巨大なドームの様にな。」
「現在は核の影響は無くなったが、今でも『モンスター』は外界を闊歩している。我々、『審判兵』の任務は主にモンスターどもからインを護る事だ。」
では、このモンスターとは何かと教師が問題を出す。
生徒たちは先生と目を合わせないように俯くが、唯一俯かなかった生徒がいた。
訓練生17番。
もちろんニヤリと笑いながら、教師は17番に指名する。
「はい。モンスターとは第三次世界大戦中に生み出された『生物兵器』の通称です。遺伝子操作によって、凶暴化させた動物を兵器として使ったのですが、核戦争の激化によって廃棄されました。」
「しかし通常の動物よりも生命力が強く、文明崩壊後も生存し、今では動物が絶滅状態であり、逆にモンスターが世界中に蔓延しました。」
教科書以上の答え。
いつもながら良く勉強している訓練生17に思わず教師も唸る。
「うーむ! 流石は英霊の孫だな! よく勉強しているという所かな。『ルーク・オーシャン』ッ!」
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