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「(私はなんてことをしたんだ……っ!)」
日の暮れかかったオレンジが下に薄らと見える紺色の空を自転車をかっ飛ばしながら何度も自分を責めた。
それは今日の六限の授業の最中、唐突に思い出したことに私はとんでもなく驚いた。
その場で思わず「あ!」と言ってしまうほどに。
とても大切なことを私は忘れていたんだ。
私は授業に使うノートはページごとに、端の欄に必ず日付を書いていた。
今日も変わらず授業が始まって一番最初に書く日付に何の疑問も持たずに何回も何回も今日の日付を記していた。
ところがふと、3月18日という今日の日付に疑問を覚えた。
この数字どこかで…とぼんやりとした数字を引き出すために脳みそをフル稼働させて一つの答えに辿り着いた。
「(今日お父さんの誕生日…!)」
気付いた事実に私は驚きと同時に凄まじい後悔に襲われた。
おめでとうの一言を言っていない。
自分の誕生日には当たり前のようにプレゼントをねだるくせに、親の誕生日を忘れるとは私はなんて薄情な娘なんだ。
今日の重大な日付に気づいた私は授業が始まったばかりだというのに、そわそわと落ち着きなく時計と黒板を交互に見ていた。
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