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最後列である俺は目を瞑り、自分の番が来るまで待つことにした。
専用機の追加装備を考えていたら時間なんてあっと言う間に過ぎ去ってしまう。
だがふと、目を開いていた。
「えーっと、織斑一夏です・・・」
織斑の番だったようだ。彼は立ち上がり、そう言った。
自己紹介を考えていなかったのだろうか、口ごもって居る。
「以上です!」
そう言って椅子に座った。
周りは期待していたのだろうか、椅子から転げ落ちる輩がいた。
いつの間にか後ろに来ていた教官が、織斑の後頭部を出席簿で引っ叩いた。
「いって!何すんだよ千冬姉!」
無言の二発目が入り、織斑は机に突っ伏した。
「ここでは織斑先生と呼ぶように言っただろう」
「・・・」
「返事は?」
返って来るのは静寂ばかり。当たり前だ。
世界最強のIS操縦者と名高い教官の攻撃を二回も受けたんだ、ギャグ補正でも昏倒くらいはするだろう。
「・・・次はお前だ、赤星」
なんか死刑宣告されたんだが。
「自己紹介だ。早くしろ」
「はっ!」
少々凄まれたので勢いで軍の挨拶になってしまった。咳払いをしてから自己紹介に移る。
「独逸軍諜報部所属、赤星十也だ。専用機持ちではあるが、非常時以外は郷に従い、打鉄(ウチガネ)を使用させていただく。軍の事情があるので了解してほしい。これからよろしく頼む」
打鉄というのは、日本の基本的なISの型であり、第二世代の量産型だ。
ここの生徒は皆練習機として打鉄を使い、素質のある者たちは代表候補生として名を上げて行くことになる。
その代表候補生も一学年に数人は居るわけだが。
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