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辺りの女子が喚いていてうるさかったので聞こえなかったのだろうが、織斑教官の静かにしろ、という一言で全員が押し黙った。
「げっ、千冬姉!?」
どうやら俺の声は聞こえて居なかったようだ。自らの姉がこのIS学園に務めていることを知らなかっただけだったか。
唐突に教官の持っていた出席簿が投擲され、織斑の顔面にクリーンヒットした。痛そう(KONAMI感)
「私が一年一組の担任になった、織斑千冬だ」
それはそうと担任か・・・。ならば、これからのことを少々考えねばなるまい。
下手に手抜きをすればバレるかもしれない。が、俺が何かを隠しているかもと空気を読んでくれる可能性もある。
特段何も考えちゃいないがな。
「赤星、お前は今何を考えていた?」
教官が此方を睨んでいる。ここは素直に答えておこう。
「いえ、何も」
そうか、と言ってこちらに来ようとしていたので、出席簿を回収して手渡す。
「お久しぶりです」
小声で挨拶することも忘れずに。非礼はチャラにしてほしいものだ。
入学式では顔も合わせなかった上に居ることも知らなかったからな。
「・・・ああ。済まない」
最初は挨拶への返事、後ろは日本人特有の感謝と受け取ることにする。
「さて、改めて言うが、私が一年一組の担任となった、織斑千冬だ。この一年でお前たちを使い物になるようにするのが私の役目だ。わかったら返事をしろわからなくても返事をしろ、いいな?」
最後の一言はまさに唯我独尊を体現したかのような言葉であった。
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