生まれ変わる星

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一つの簡単な挨拶で女子が湧く。 「流石織斑先生!素敵だわ!」 「あの男子、あんなに近付けるなんて羨ましいわ・・・!」 「キャー織斑先生抱いてー!!」 俺はうるさいのもうざいのも嫌いだ。この場合は姦しいと言えばいいのか? 「毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。何か?私のクラスにだけ馬鹿を集めさせてるのか?」 ・・・この発狂っぷりは貴女の所為が八割ってところだと思うが。 あとの二割は教官に教わりに来たり、世界各国からパーツや会社を宣伝するために来たエリート軍団だろう。俺はどれにも属さないが。 国民的アイドル?ともなれば液晶の向こうの人だ、サインなどを求める輩も出てくるのだろうな。 飴と鞭を求める無知が居るが、教官の場合は鞭だけだ。国家代表を鍛える場であったのだからあの場では当然か。 かと言ってここで甘々な指導を賜っても意味が無いわな。 さてここで鉄面皮の教官から視線を隅に移せば、小動物っぽい感じの眼鏡美人がいた。 妙におろおろとしており、軟弱そうだ。 時期的に実習生ってのは無さそうだ・・・副担任だろうか。 「静かに。・・・それでは山田君、自己紹介を頼む」 教壇から教官は退き、山田君と呼ばれた女性が教壇の前に立った。 「皆さんの副担任をやる、山田真耶です。よろしくお願いします」 溌剌かつ柔和な声で短い自己紹介を終えた山田女史は、教官に場所を受け渡した。 「それでは諸君にも自己紹介をしてもらおう。瀬川」 「は、はいっ!」 突然の指名だ、ある程度驚いたことだろう。自己紹介と言うものは最前列からか出席番号順がセオリーであるため、咄嗟の反応も出来たようだ。
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