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落ち着いたところで、母さんに朝頼まれたことをふと思い出した
「相樂、今日母さんが夕飯食べに来ないかって言ってたんだけど…来るか?」
「優奈─ゆな─さんのご飯!!勿論行きますとも!!」
切り替えの早い友人はキラッキラした表情でそう言うと、さっさと俺ん家に向かって歩き出す
俺は母さんにメールを送って、相樂の隣に並んだ
日が沈んですぐ、桜月という表札の掛かった家の前に着いて、周りが赤い煉瓦の壁で覆われている入口を開ける
その中には母さんの趣味全開な庭が綺麗に花を咲かせていて、数十歩進むと、8LDKの家の玄関に到着
ガチャと音をたてて家に入った
「ただいまー」
「お邪魔しまーっす!!」
奥からパタパタとスリッパの音を鳴らしながらくるのは母さんだ
「かーずまっ!いーちゃんもお帰りなさい!!ご飯丁度出来たから、手洗いうがいしてリビングに来てねっ」
そう言うと、早々に帰っていく母さん
言われたとおりにいーちゃん(笑)をつれて洗面所へ
「相変わらず可愛いよなー!!優奈さん!!親父さんが羨ましいぜ…!!」
「今はいないけどな」
親父は俺が3歳のときに仕事で出て行ったらしい。なんの仕事をしてるんだか知らないが…この家も、日々の生活費とかは親父が払っているらしいからすげぇ金持ちなんだろう
詳しくは知らないけど
洗って濡れた手を拭いてリビングへ
「今日はなに?」
「ふふっ。今日はお好み焼きにしてみたのっ!!2人でお好み焼きはなんか寂しいから、いーちゃんを呼んだのよー!!」
「いつでも呼んでください!!いつでも馳せ参じます」
あははっいーちゃんたらーと笑う母さんは、髪を後ろに1本に結んでたのを解いて椅子に座る
俺と相樂も続いて座った
「「「いただきます」」」
手を合わせて言って、俺たちは大きいお好み焼きの1つに手をつけた
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