赤羽茉利亜という乙女

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こう書いていると、まるで絶世の美女のように思われるだろうが、そういう訳ではない。また、特別官能的な躰付をしている訳でもない。 顔は確かに美人であるが、しかしそれは一般に混じっていればというレベルの話である。幅の狭い二重瞼、縦にパッチリとして、しかし横幅は狭い目、鼻筋は通っているし、唇もぷっくりしている。しかしどことなく思春期の少年のような印象を与える、そんな顔立ちなのである。 肌の色は白く、髪の毛は軽くウェーブした暗めのブラウン、身長は高くもなく低くもなく。躰は華奢で、胸なんかもどちらかといえば控えめである。どこかのアニメのヒロインのような豊満で男を惹きつけるような躰には程遠い筈であるのに、何故かそんな体型すらも妖艶に見えてしまうのが茉利亜の不思議のひとつである。 そして、茉利亜に魅了される男は皆言うのである。茉利亜の瞳は、魔の瞳であると。彼女の瞳には全てを見透かされる気持ちになるし、また、吸い込まれていく気持ちになるのだと。 .
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