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「捧げたら?初めて」
「絶対に嫌!何で結城なのよ!」
ヘアバンドを取って、また付け直した。本当に気分が悪い。今日はいつも以上に飲んでやろうっという気になるくらい。
「はぁ……貴重だと思うけどなぁ。アンタのその姿を受け入れてくれる人」
「別に受け入れてほしくないし。ただの同期だし」
「可愛くなーい」
「自分が一番わかってる」
確かにこの私の姿を受け入れてくれた結城は貴重な存在かもしれない。
酔ってはいたけど、何となく覚えてる。
私を家まで送ってくれた後、明日美に無理矢理引きとめられた結城は仕方なく、このリビングでお酒を飲んでいて、着替えが終わった私のこの姿を目の前で見たんだ。
ヘアバンド、オールバック、一つに纏めた髪、ゼッケンが付いた学生ジャージ姿の私を。
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