【冷め行く夜の気配】

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  否定を紡ごうとした秀吉だったが 「有るな。信長様より譲り受けた一振り…あれだけは妙に重い。」 ふと己の中にある印象が言葉の通りである事を思い出し、訂正した。 笑みを深める高山は、続けて印象の例を言葉に乗せていく。 「有難うございます。では、その波動に【色彩】を加えるとしたら、殿下はどの色をお選びになられます。」 「色…か。そうだな…。」 「ゆるりとお考え下さい。実は最近、その色を持つ刀を【探し当てた】事例がありまして…」 「何…?」 「調べていくと、それが刀に限ったものではない事も見えて来ました。」 秀吉はそれを耳にするや、僅かに身を乗り出して訊ねた。 「まさか…!」 「大友氏の行き過ぎた聖教信仰を食い止めよと、徳川さまから命を受けまして。その犠牲(たて)となった憐れな伴天連(パードレ)たちから取り上げたものだと聞き及んでおります。」 言いながら、高山は胸元で十字を切った。 「焦らすな右近。それこそ貴殿の見たと云う、九州摩天楼の一件だろう。」 「はい。最初に訪れたのは上杉氏の様です。最後に討ち入ったのも少数でしたので、私たちは実質、中に入る事はありませんでしたが…。」  
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