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「上杉か……成程。他にはどの様な者が居たか、覚えているか。」
「ええ少しは。私、蒲生氏、芝山氏。毛利氏と…細川氏、武田氏、徳川氏、前田氏。…ああ、貴方の腹心もちょうどそのタイミング…失礼、その時機に、幾人か来られていましたよ。」
「腹心?」
「石田三成、福島正則、加藤清正のお三方です。」
「 」
「…貴方が命を下したのではないのですか?」
高山が当然の疑問を投げる。
秀吉は暫く自らの膝元を見詰めたまま、押し黙った。
「…解りました。」
状況を把握した様子で、再び高山が口を開く。
「しかし貴方の命ではないとなると…些か、厄介ですね。」
「……、」
「おい、秀吉。」
茶道具を片付けながらそれを聞いていた利休も作業を終え、再び話に加わる。
とんと秀吉の背を扇子で小突き、暗に励ました。
「済まない、利休。…そうか……佐吉が…居たのか、其処に。」
「先程の御瞑想…」
「ああ、実は佐吉の事を考えていたのだ。」
「左様でしたか。」
「話割って済まねぇが、高山。」
「はい、先生。」
「お前は其の訳解んねぇ武器、何か持ってんのか。」
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