第二章・夏の記憶と罪

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用意が整うと、真衣は、 「ねぇ、拓ちゃんも呼んでいい?」 頬を赤くしながら、上目遣いに私を見上げた。 「拓ちゃんにも、見せてあげたいの。浴衣」 「もちろん」 答えながら、私も頬を赤くした。拓実に浴衣姿を見てもらいたいのは、私も同じだったから。 拓実がやってくるまで、私たちは夜店の屋台を楽しんだ。テストが終わった開放感も手伝ってずいぶんとはしゃいだ。たくさん笑って、たくさん食べた。 そしてカキ氷屋の屋台に並んだとき、拓実がようやく祭り会場に到着した。
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