第二章・素直になれたら

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何度も謝る私に、シスターはマオチャンは悪くないと言ってくれた。 でも、本当にそうだろうか。例え知らなかったとはいえ私があの子の心の傷に塩を塗ったのは間違いないのだ。 どうしてこんなにも私は無神経なのか。自分で自分がいやになる。 そういえば、昔、こんなことがあった。 あれは、高校三年生の冬だった。 その時ちょうど恋人と別れたばかりの私はシングルのクリスマスなんて寂しすぎると真衣に愚痴をこぼし、それで、一緒にパーティーをすることになった。 そのことを両親に話すと、もてなし好きの両親がうちですればいいと言ってくれた。料理もケーキもお酒も全て用意するからと。 それで、真衣と拓実を我が家へ呼んだのだ。
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