第二章・素直になれたら

6/17

29人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「マオちゃん、スミマセン」 「い、いえ…」 呆然とする私たちをよそに、当の本人はふてくされ布団なのかにもぐりこんでしまった。 そこへ、またま騒ぎを聞きつけた悠馬が雑巾を片手に飛んで来た。 「ここは俺に任せてください。真央は着替えてきて」 「うん、ごめん」 「マオちゃーん。ゴメンね」 すまなそうにするシスターに一礼すると、味噌汁臭い私はロッカーへ小走りした。 まったく、なんてガキだろう。あれじゃ、持て余されて当然。ああ、先が思いやられる。 もともと子供の扱いは得意ではないうえに、あんなへそ曲がりどう相手していいかわからない。初日からこれだ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加