ギルド

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そこはギルド「天使の輪」の会議室だ。ただし、各属性を極めた者である帝たちが使う部屋だ。 なので必然的に彼も帝であり、中にいた彼らも帝であり、 「おや、お帰りなさい炎帝。 早かったですね、ちょうど私も依頼を終えてきた所なんですよ。」 なんて聞こえ、また高級感漂う白い長机を口の字に並べ、その一番奥に椅子を置き座る人物に目を向けた。 「貴方には言われたくないんだが。 俺よりも後に依頼に向かっていますよね?覇王」 と、フードを脱ぎながら炎帝と呼ばれた彼が答える。その彼の顔は十人いたら全員が美形と言うぼど格好良い者だ。髪の色は透明感のある深緋色、目も同色だ。年齢は一見20歳いくかいかないかに見える。 「あはは。簡単な仕事でしたから~。 あとギルドマスターが貴方に用事があるそうですよ?いや~なんか面倒そうな感じだったんで、頑張ってくださいね~。」 彼らが着るギルドマントはフードに音声変換と顔の識別不可の機能が付いている。そのため覇王の声は中性的で、年齢もわからなくなっているが、以前性別を聞いたら男だと言っていた。 しかし今、いつも通りフードから覗く口には笑みを浮かべていて笑っているのだか、マスターと言った時黒い何かが背後にみえた気がする。いや、確実にあった。 「…はあ。たまに貴方がこの界で一番強いなんて信じられなくなります。特にしゃべり方とか。」 「え~。いいじゃないですかフレンドリーで。その方が民の声を聞きやすいんですよ。 炎帝ってば、だから堅物ってよばれちゃうんですよ。」 そうやってカラカラと笑って左胸の金色の刺繍が揺れているが。 「勝手に堅物って呼んでるのはあんただけだろうが!」 「きゃあ。炎帝くんこわーい。 テーブル叩いて乱暴ー。」 思わず自分の上司に対し舌打ちしてしまう。本当に疑ってしまうのはしょうがないだろうと言い訳を思ってしまうのだった。
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